ピンテンの向きと裏表

2018.09.04 Tuesday

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    60/-タイプライターのイエローベージュ(SOLD OUT)ですがね、

    これがいい例です。

     

    突然ですが皆さん

    上の写真、どっちが表だと思いますか?

     

    普通だったら画像下側が表だと思いますよね。

     

    でも実は画像上が表なんです。

     

    それって、昔家庭科で習った「表裏の見分け方」と逆じゃない?

     

    そうなんです。

    生地のミミの部分についているポコポコの穴の方向と、生地の表裏に実は相関関係なんてないのです。

     

    これを知っている人が多分とても少ないかなと思うので、

    ずいぶん前にもブログで説明したのですがたまにリピートしようかな?と思った次第です。

     

    多分Wildberryのすごく古いお客さんで、しかもブログのマニアの方だったら覚えてる方もいるかも。

     

    この生地のミミ付近のポコポコの穴はピンテンターの跡です。

    略して「ピンテン」と呼びます。

     

    生地は編み、もしくは織り工程の時は糸にワックスがついています。

    編み、もしくは織り上がった生地は一回湯通ししてから乾燥、そして棒反に巻き取られます。

     

    洗い(もしくは染め)だけをする工場、セット(棒反に巻き取る工程のこと)だけをする工場、

    という風に分かれている場合もあるのですが全ての工程を一貫で行う工場もあります。

     

    布帛の工場に関してはあまり詳しくはないのですが

    布帛の性質上、織り上がりの生機はすごくm数が長いと思うので

    洗いとセットは一貫で行うのではないかな?とおもいます。

     

    この、セットの工程の時に

    生地の両耳に剣山のような針を刺して生地がズレないように固定します。

    ベルトコンベアーのようにどんどん生地が進んで行くのですが

    最初はたるんでいた生地が、徐々に引っ張られてピンと張ります。

    そして高温のボイラーの中を通って

    出てきた時にはアイロンをかけたようになっているんです。

     

    このセット工程の時に、

    表をどちらにしなければならないという決まりがありません。

    なので、似たような平織りの似たような生地でも、

    生地に空いた穴の「差し込んだ側」が表だったり「突き抜けた側」が表だったり、マチマチなのです。

     

    家庭科の授業で教わったあれは、一体なんだったんでしょうね。

     

    この事実を知った時、お姉さんもびっくりしていましたよ。

    「あれ?普通はこちら側が表って言われてない?」と。

    でも生地には逆側に「表」とか「FACE」などのスタンプが押されていたりシールが貼られていたりするんです。

     

    私は洋裁を習ったことがないのでわからないのですが洋裁学校やファッションを学ぶ学校でも

    「こっちが表」って習うんでしょうかね?

     

    なので、

    届いた生地のピンテンの穴を見て

    「あらっ、小川さんったらこの生地外表にたたんでないじゃない」と思わないでくださいね。

     

    ちゃんと反の最初に「こっちが表」とかタグに「この生地は中表」とか書いてあるので

    それに従って「外表」に畳んでおります。

     

    そういえば昔々、

    まだ生地屋を始めてそう何年も経っていなかった時期

    ジャガードニットを販売したことがありました。

     

    天竺の編み方で言うところの「表目」が裏にたくさん出て

    「裏目」が表にたくさん出ていて

    そのポコポコの段差で模様を浮き彫りにすると言うジャガードニットでした。

     

    その生地が届いたお客さんから

    「これは表裏逆です」と怒った感じでメールが来たんです。

    なので、「いえいえ、逆じゃないですよ。こちら側が表です」

    と説明しましたら

    「こっちが表だなんて決めたのは誰ですか?小川さんですか?」と言われましてね

    「テキスタイルデザイナーじゃないし、私に表裏を決める権限ないよ。ただの生地屋だよ」と内心思いながらも

    仕入れ先に色々教えてもらいながらお客様には説明した、と言うことがありました。

    懐かしいなあ。もう14年ぐらい前のことですかね。

     

    色々ありましたが徐々に生地に関して詳しくなりましたよ。

    気が付いたら15年間(もうすぐ丸16年)もこの商売をやっているんですね〜。

    亀の甲より年の劫ですね。


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    他で買った生地の表裏で悩んでいたところ、まさにドンピシャ!!ありがとうございます、いい情報を。。。これからはピンテンで決めるの辞めます!勉強になります、小川先生!!
    • by shi-mama
    • 2018/09/05 3:56 PM
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